詩篇 88

1ああ、私を救ってくださる神よ。
私は昼も夜も、あなたの前で嘆いています。
この叫びに耳を傾け、祈りを聞き届けてください。
苦しみにがんじがらめにされた私に、
死の足音が忍び寄って来たのです。
人々は、私のいのちは尽きかけていて、
手の施しようもないと言います。
戦場で倒れ、神からのあわれみも絶たれた
兵士のように、見殺しにされるのです。
あなたは私を、深い真っ暗闇の穴に投げ込まれました。
あなたの激しい怒りは、息つく暇もなく
押し寄せる波のように、私をのみ込みます。
あなたは、友人たちが私を嫌って、
私のもとを去るようにされました。
私は捕らえられ、逃れることができません。
目は泣き疲れてかすんでいます。
ああ主よ。くる日もくる日も、助けてくださいと、
取りすがっているのです。
あわれんでくださいと、両手を差し伸べているのです。

10 もうすぐ、手遅れになってしまいます。
死んでしまえば、どんな奇跡を行ってくださろうと、
何の役にも立ちません。
死んだら、あなたをたたえることもできません。
11 墓の中にいる者が、どうしてあなたの恵みや真実を
言い広めることができるでしょう。
12 暗闇に、あなたの奇跡を証言することが
できるでしょうか。
忘却の地にいる人間に、
あなたの助けを語り伝えることができるでしょうか。
13 ああ主よ。
くる日もくる日も、私は命乞いをしています。
14 なぜ、私の寿命を縮められるのですか。
なぜ、御顔をそむけられるのですか。

15 私は若いころから病気がちで、
いつも死にさらされていました。
死におびえて、なすすべもなく立ち尽くしていました。
16 あなたの激しい怒りに私は震え上がりました。
17 私は一日中、恐怖に襲われています。
18 愛する人も、友人も、知人も、みな去って行きました。
どちらを向いても、暗闇ばかりです。