雅歌 3

ある夜のこと、恋人は私のベッドから
姿を消してしまいました。
私は起きて捜しましたが、見当たりません。
通りへ出て夢中で捜しましたが、
どこにもいないのです。
途中、警備の人に呼び止められたので、
『どこかで、私が心から愛している方を
見かけませんでしたか』と尋ねてみました。
それからほんの少しして、あの方は見つかりました。
私はうれしくて、あの方をしっかりつかまえ、
実家へお連れして、母の古い寝室へ案内しました。
エルサレムの娘さん、
あなたがたに、かもしかや野の鹿を指して
誓ってもらいたいのです。
私の恋人を起こさないでください。
十分に寝かせてあげてください。」

エルサレムの若い娘たち

没薬や香料、そのほか手に入る限りの
香りのあるものを漂わせながら、
煙のように荒野から上って来る人はだれでしょう。
ごらんなさい。
あれは六十人のえりぬきの勇士に守られた、
ソロモン王のみこしです。
みな腕の立つ兵士で、
経験を積んだ護衛の者たちです。
めいめい、夜襲に備えて王を守るため、
腰に剣を下げています。
みこしは、王がレバノンの木で
特別にあつらえたものです。
10 その支柱は銀、天蓋は金、
座席は紫のカバーがかかっています。
背当てには、『エルサレムの娘たちから愛を込めて』
という文字がちりばめてあります。」

おとめ

11 シオン(エルサレム)の娘さん、
さあ、ソロモン王を見に出かけなさい。
王の喜びの結婚式の日に、
母上がじきじきにかぶせたという冠を
見てごらんなさい。」

ソロモン王