イザヤ書 58

ほんとうの断食

1「ラッパのような大声で叫べ。
わたしの民に、彼らの罪が何であるかを知らせよ。
彼らはいかにも神を敬うかのように振る舞っている。
毎日神殿へ来て、律法の朗読を聞いて喜ぶ。
彼らはそれに従うことを望み、
神の戒めを軽んじることなど考えられない、
といったふうに見える。
見た目には、正しく礼拝することを心から願い、
神殿での奉仕をことのほか愛しているようだ。
彼らは不満げに言う。
『あなたの前で断食したのに、
なぜ心に留めてくださらないのですか。
なぜ、私たちのいけにえをごらんにならないのですか。
どうして、私たちの祈りを
聞いてくださらないのですか。
たくさんの罪滅ぼしをしたのに、
目も向けてくださいませんでした。』
その理由を説明しよう。
おまえたちは断食の最中にも悪い楽しみにふけり、
雇った労働者を虐げている。
考えてもみなさい。仲間割れしながら断食して、
いったいどんな益があるというのか。
そんな断食をしても、
わたしとの関係は少しも良くなるはずがない。
そんな罪滅ぼしが何だ。
風に揺られる葦のように頭を下げたり、
荒布をまとって灰をかぶったりすることを、
はたしてわたしが望んでいるだろうか。

わたしの喜ぶ断食とは、労働者を虐げるのをやめ、
公平な扱いをし、
彼らに正当な支払いをすることではないか。
空腹の者には食べ物を分け与え、
身寄りのない者、暮らしに困っている者を
家に迎えること、それがおまえに望むことだ。
寒さに震えている者には着物を着せ、
親族が助けを求めるなら助けを惜しまないことだ。」
このようにすれば、
神はあなたに輝かしい光を注ぎ、
あなたはいやされ、
神への思いが、あなたを導きます。
あなたの善良さがあなたの前を守る盾となり、
主の栄光があなたをうしろから支えます。
あなたが呼べば、「わたしはここにいる」と、
主はすぐに答えます。
あなたのすべきことは、
弱い者を虐げることをやめ、
偽りの告発をしたり悪質なうわさを流したりするのを
やめることです。
10 飢えた者に食べさせ、困っている者を助けなさい。
そうすれば、あなたの光は暗闇の中から輝き渡り、
あなたを取り囲む暗闇は真昼のように明るくなります。
11 主は片時も休むことなくあなたを導き、
ありとあらゆるすばらしいもので満足させ、
いつも元気で満たしてくださいます。
あなたは、よくうるおった庭園のようになり、
豊かに水がわく泉のようになります。
12 息子たちは、長い間人の住んでいなかった
町々の廃墟を建て直し、
「城壁と町を造り直す恩人」と呼ばれます。

13 「安息日をきよい心で守り、その日には
仕事や趣味に熱中したりせず、喜んで一日を過ごし、
主の聖なる日だと喜びをこめて言い、
自分のしたいことをせずに無駄口を慎み、
わたしをあがめるなら、
14 わたしはあなたの喜びとなる。
わたしは、あなたに高い所を駆け巡らせ、
あなたの父ヤコブに約束しておいた祝福を
あますところなく受け継がせる。」
主は、このように語りました。