ネヘミヤ 記 2

エルサレムへ向かうネヘミヤ

11-2 それから四か月ほどたった第七の月のある日、私が王にぶどう酒をついでいると、王が私に話しかけました。「浮かない顔をしているが、具合でも悪いのか。何か大きな悩みでもあるのか。」

私はその時まで、王の前ではいつも明るく振る舞うようにしていました。私はとても怖くなりましたが、こう答えました。 「王様、どうして悲しまずにいられましょう。先祖たちの眠る町が廃墟となり、門も焼け落ちたままなのです。」 4-5 「そうか。では何をしてやればよいのか。」私は短く天の神に祈ってから答えました。「もし、王様のお心にかなって、お許しいただけますなら、私をユダに遣わし、先祖たちの町を再建させてください。」 「どのくらいかかるのだ。いつ戻って来るのか。」王は私に尋ねました。王のかたわらには王妃が座っていました。王が承諾してくれたので、私はさっそく出発の日取りを決めました。

このほかにも、私は王に願い事を申し出ました。「もしよろしければ、ユーフラテス以西の総督あてに手紙を書いて、ユダに行く途中、それぞれの総督が治める地方を通らせてくれるよう、お命じになってください。 また、王室の森林管理人アサフに手紙を書いて、材木を提供するようお命じになってください。神殿付近の城門の梁と、城壁と、私の住まいを建てるために必要なのです。」神の深いお恵みのおかげで、願いはかなえられました。

ユーフラテス川西部の地方に着くと、私は総督たちに王の手紙を渡しました。王が私に警護の将校と騎兵をつけてくれていたことも言っておかなければなりません。 10 ところが、私がユーフラテス川の西の地方に来たことを知り、腹を立てた人物がいました。ホロン人サヌバラテと、アモン人の役人トビヤです。この二人は、イスラエルに手を貸そうとする者の存在が許せなかったのです。

城壁の視察

11-12 エルサレムに着いて三日後の夜、私はほんの数人だけを連れて、こっそり外に出ました。神が私の心に示してくれたエルサレムに関する計画のことは、誰にも話していなかったからです。私はろばに乗り、ほかの者は徒歩で進みました。 13 谷の門を通り、竜の泉に向かい、糞の門まで行き、崩れた城壁、焼け落ちた門を調べました。 14-15 次いで、泉の門と王の池へ向かいましたが、瓦礫のせいで、ろばの通れる場所がありませんでした。そこで、町の回りを巡り、流れに沿って進み、城壁を調べて、再び谷の門から中に入りました。 16 町の役人たちは、私が出かけたことはもちろん、私のしようとしていることも知りませんでした。この計画のことは、政府や宗教関係の要人にも、実際の工事に当たる人々にも、まだ話していなかったのです。

17 しかし、時が来たので、私は人々に呼びかけました。「この町はごらんのとおりの惨状です。荒れ果てたまま、門も焼け落ちたままです。さあ、エルサレムの城壁を再建しようではありませんか。この恥ずべき事態を解決しましょう。」 18 私は、神が抱かせてくれた願いや、王との話し合い、そして王が許可してくれた計画について話しました。人々はすぐに反応してくれました。「それはよかった。さあ、城壁を建て直しましょう。」こうして、工事が始まったのです。 19 ところが、この話を耳にしたサヌバラテやトビヤ、アラブ人ゲシェムたちは、あざ笑って言いました。「やれやれ、いったい何をしようというのだ。王に反逆するつもりか。」

20 しかし、私は答えました。「天の神様がお助けくださいます。神様にお従いしている私たちは、必ずこの城壁を再建することができるでしょう。あなたがたには関係のないことです。」