サムエル記Ⅱ 6

エルサレムに運ばれた神の箱

11-2 このあと、ダビデはえり抜きの兵三万を率いて、ユダのバアラへ出かけました。ケルビム(天使を象徴する像)の上に座す、天地の主なる神の契約の箱を持ち帰るためです。 神の箱は真新しい牛車に載せられ、丘の中腹にあるアビナダブの家から運び出されました。御者はアビナダブの子ウザとアフヨでした。 アフヨが先導を務め、 ダビデをはじめイスラエルの指導者たちがあとに続きました。一行は木の枝を振りかざし、主の前で、竪琴、琴、タンバリン、カスタネット、シンバルなど、ありとあらゆる楽器を鳴らして喜び踊りました。

ところが、ナコンの打ち場まで来た時、牛がつまずいたので、ウザはあわてて手を伸ばし、神の箱を手で押さえようとしました。 とたんに、主の怒りがウザに向かって燃え上がりました。箱にさわったため、ウザは主に打たれ、箱のそばで息絶えました。 この出来事にダビデは憤慨し、そこをペレツ・ウザ〔ウザへの怒り〕と呼びました。今もそう呼ばれています。

ダビデはすっかり主を恐れ、「とても主の箱を私の所に持って帰ることはできない」と言って、 10 それをダビデの町へ移すことを中断し、ガテ出身のオベデ・エドムの家に預けることにしました。 11 こうして主の箱は、三か月間オベデ・エドムの家に置かれました。主は彼の家を祝福しました。

12 そのことを聞いたダビデは、大いに祝って、神の箱をオベデ・エドムの家からダビデの町へ運ぶことにしました。 13 主の箱をかつぐ者たちが六歩進んだ時、ダビデは太った牛と子羊をいけにえにささげました。 14 ダビデは、主の前で力の限り踊りました。彼は祭司の服をまとっていました。 15 全イスラエルは歓声を上げ、ラッパを吹き鳴らして、主の箱をダビデの町に運び込みました。

16 しかし、行列が町に入って来るのを窓から眺めていたサウルの娘ミカルは、主の前で跳ねたり踊ったりしているダビデを見て、心の中で彼を軽蔑しました。

17 主の箱は、ダビデが用意しておいた天幕に安置されました。ダビデは主に、焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。 18 それから、天地を支配しておられる主の名によって民を祝福し、 19 男にも女にもすべての民にパン一個、ぶどう酒、干しぶどうの菓子一個をふるまいました。それが終わると、みな家に引き揚げ、 20 ダビデも、家族を祝福するために戻って行きました。

ところが、ダビデを迎えに出たミカルは、うんざりした様子で言いました。「今日は、なんとまあごりっぱな王様ぶりでしたこと! 道の真ん中、それも女たちの前で裸におなりになるなんて。」

21 「私は、おまえの父やその一族にまさって、神の民イスラエルの指導者として選んでいただいた主の前で踊ったのだ。その主の前で喜びを表すためなら、たとえ気がおかしくなったと言われてもかまわない。 22 いや、もっと愚か者のように思われてもよい。その女たちは、きっとわかって敬ってくれるだろう。」

23 このミカルは、生涯、子どもが与えられませんでした。